わたしは元来ストレスが溜まらない性格です。
というのは根が楽観的であるとか、自己コントロールについてわきまえているとか、そういったポジティブな方向性からくるものでは全くありません。
それは例えば「イラッとしたらその場で言ってしまう」から。
もしくは「会いたくない人には始めから会わない」。他にも「気が進まないときはメールの返信をしない」。など…書いていていささか悲しくなりますが…ストレスが溜まらない要因の多くは、わたしの禄でもない性格のお陰なのです。ホントすいません。
ところが先日ひょんなことから、自分の身体に蓄積されていたストレスの存在に気が付いてしまいました。
ある時から全く本を読まなくなっていた
切っ掛けは突然。
いつからか全く本を読まなくなっていたことに、ある日突然気が付いたのです。
それまでは毎日欠かさず読んでいたものを。
ノルマ的な決め事として読んでいたわけではありません。わかりやすく言えば「Yahooニュースを見る」ぐらいの感覚でしょうか。ほとんど癖のようなものに近い。
気が向けば新刊も買いますが、基本的には好きな文庫本を何度も読み直したり、なんなら気に入った部分だけチラッとつまみ読みしたり。わたしとしてはそれで十分なのでした。
中でもハードに利用していたのが青空文庫です。
縦書きで読めるこちらのサイトが特にお勧め:青空文庫の無料電子図書館 - えあ草紙・青空図書館
著作権が消滅した作品や著者が許諾した作品を掲載している電子図書館。
小説や随筆などといった文学のみならずエッセイのような軽めの読み物や、ひいては専門的な論文まで幅広く掲載されており、時間さえあれば丸一日読んでいても飽きることはありません。
あさ目が覚めるまでの30分で短編を一つ読了するような生活を何年も続けてきたので、今となっては誰の何という作品なのか思い出せないお話も多数ある始末。こんな読み方、良くないですよねぇ。
ここまで書いてきた内容から、私がどんなニュアンスで文章と接していたのかが伝わったのではないでしょうか。
繰り返しになりますが、こうして日常的に続いていた習慣がある時から突如としてストップし、そしてそのことにわたし自身が気づいていなかった。
何かマズいな、と直感的に思いました。
日常を徐々にに失っていくという恐ろしさ
原因はもちろんコロナでしょう。
今日本中で起きていることと相違ない。子どもたちは長いお休みになり私の生活も激変しました。
自分一人のことならともかく、家族や友人たちが健やかでいられるよう心配すべきことも増えました。
こうした心労が自分自身も気が付かないレベルでゆっくりと心に忍び寄り、いつしか今までの日常が送れなくなっていた。そんなところだろうと思います。
しかし、こうなるまで気が付かなかったというのが何より恐ろしい。
ストレス云々という言い方は本来好きではないので、「イライラが募った」程度の表現にしておきたいな。
そういえば最近、子どもたちが以前に増してわたしの言うことをよく聞いてくれるようになったんです。
「また一つ大人になった」なんて感心していたのも先日まで。
自身のイライラに気づいてからは、これはわたしの怒り方が前より怖くなったからに違いないと理解することができました。
実に情けない話じゃないか。
みんな大変な時だっていうのに、ましてや大人が子供にあたってどうすんだっていう。逆ならわかるけど。
気づくことで楽になった
ただ、色々と気に病んでいたいくつかの要因が「自分自身のせいである」と分かったことで随分と楽にもなったのです。
元々がノンストレスな性格なせいもあってか、それだけで随分と心の整理がついてしまいました。現状に納得できたというか。
子どもたちは今のままで大丈夫。
わたしがイライラしているせいで余計な心配をし過ぎただけ。
家族も友人も、なんなら世界もしかり。よくよく見れば今まで通りじゃないか。
赤塚不二夫が存命ならば「これでいいのだ」とでも宣ったはず。
要するに、世は並べて事も無し!
心配すべきことを適切なレベルで心配するということは、我々大人にとっても非常に難しいことです。
皆様も「いつもと何か違うな」というサインを感じたら、まず日常生活を見直してみるといいのかもしれません。
普段通りのことが出来ていない場合は要注意。
私と同じなら、ストレスが日常を侵食し始めている可能性も。
自分のイライラこそが心労の原因だ、と知るだけでも気が楽になるものですよ。他人や世界は変えられなくても自分のことなら何とかなります。大丈夫。
また本を読み始めました
というわけで、最近は意識して本を読む時間を作っています。
もう何度も読み返している「ライ麦畑につかまえて」。
みんな中二中二っていうけど、これそんなに中二か?アラフォーになった今でもホールデンの全ての行動が腑に落ちるんだけど。これって単純にわたしの精神年齢が低いというなのだろうか。わからん。
いずれにしろ、定期的にホールデンに会いたくなるわたしはまた冬のニューヨークに出かけています。
世界中の皆様が一刻も早く日常を取り戻すことを祈って。