6月に入り、小学校や保育園が通常通りに再開される運びとなりました。
この数ヶ月というもの、ちょっと目を離すと兄弟ゲンカが始まるような状況の中、仕事や家事の合間に上の子の宿題を見たり、下の子と遊んだり。家の前で毎日なわとびもしました。公園へは早朝の人がいない時間を狙って出かけました。
もちろん全ては妻と協力しながらの話ですが、とにかくてんやわんやな毎日を過ごしていたわけですよ。お陰様で久しぶりに戻ってきた日常にはどこか現実味がなく、もはや夢の中にいるような感覚すらあります。
すっかり気が抜けてしまっていますが、未だ状況は継続中だということだけは肝に銘じつつ…。
ひとまずは、お疲れさん!
6月の特集では、休み中に息子と遊んだ「塩の結晶を作る実験」をご紹介します。簡単なので子どもでも安心。かつ、アイデア次第で色々と発展していけそうな自由度が魅力です。
おうちで塩の結晶を育ててみる
ソースは分散登校中に息子が図書館で借りてきた本。それを見て一番気になったのがこの実験だったらしい。
内容は【モールの輪を飽和食塩水(水500ml:塩200g)の中に沈め、それを拠り所に結晶を育てる】という単純なものでした。
用意した備品は以下の通りです。
どれがどれだなんていうことはいちいち書きませんが、混ぜるためのスプーンとお皿、計量カップ、耐熱のプラスチック容器とか。だいたい使いそうなやつですよ。
そんな中、謎の銀輪がひときわ異彩を放っているのにお気づきだろうか。
我が家にはモールなどと言う気の利いたものはなく、代替品として息子が作ったアルミホイルの輪です。
100均でのモール購入も提案したのですが、そもそも本を見た時に「これアルミホイルで出来るんじゃね?」と思ったことが今回の実験を始める大きな理由だったそう。だったらぜひアルミでやらなくちゃ。
…でも、コレ…。ねえ…。
何となく先が見えてしまう姿じゃないか…。
しかし、それは実験してみて始めてわかること。グッと言葉を飲み込みつつ、頭ではコッソリと違う作戦を考えておくのであった。
飽和食塩水を作る
準備が整ったら飽和食塩水を作ります。
分量である200gの塩をお皿に入れて。
一度にこんな量の塩を使うなんて…妙な背徳感で背筋が伸びるぜ。
塩は砂糖などと違い、溶媒の温度が溶解度にほとんど影響しません。が、「沸騰したお湯で作った食塩水で結晶を作る」というのが例の本に記載されていた手順でもあったため、それに従い熱湯500gを注いで溶かすことに。お子さんと実験する場合は火傷にご注意くださいね。
飽和して溶け残った食塩水が下に溜まってくるようならそろそろOK。もちろん上澄みのキレイに溶けている方を使用します。
見やすいように耐熱の透明プラスチック容器に移し替えて。
プラスチック容器は以前別の実験(これまた結晶)に使ったものを流用しました。
耐熱ガラスのコップなんかでも見やすくて良いんじゃないかと思います。
アルミホイル作戦の顛末
さあ!この食塩水にいよいよ息子自作のアルミホイルを沈めますよ!
どうなるでしょうか…。
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浮いたぁぁ~!
わかってたけどやっぱり浮いたぁぁぁ~!
もちろん失敗を笑ってやろうと黙っていたわけではありません。こういう失敗こそが実験の醍醐味じゃないですか。大人が変な口を出してこの面白い失敗を回避してはならん。
実際、このゴキゲンに浮いたアルミホイルの姿を見た息子は、「あぁ!浮いてるぅぅぅ!これダメだあああ」と大爆笑していました。いい思い出になったかな。
で、大爆笑もそこそこに次の作戦です。
垂らした糸に結晶はつくのだろうか
わたしもコッソリ考えてはいたものの、やっぱりモールに準ずるような物が我が家には無いんですよねぇ。
繊維があるからいけるっしょ、ということで…非常に質素な姿ではあるが…まあ何もしないよりはいい。
ここまでの仕込みはその日の10時20分までに終わらせました。あとは経過を見ていくだけなのですが、息子の意向で「ママが帰ってくるまで」がこの実験のエンドラインに大決定。アバウトなのがまた良い。
少しづつ糸に小さな結晶が付いてきたのがお分かりでしょうか。
このまま「ママが帰ってくるまで」約7時間放置したものがこちらです。
背景の色紙は息子のチョイスです。
小さいけどちゃんと結晶化していますよね!
根元の方(画面向かって左側)には棒状の結晶も出来ていたりして。顕微鏡で覗くと教科書で見るような姿を目にすることができ、当の息子も満足そうでした。
ひとまずは実験成功といったところでしょうか。
もっと日を置いて結晶を育ててみたい
…しかし。
本音を言うとわたしは不満だった。なぜもっと待たないのか。
「もうやめちゃっていいの?放っておけばもっと大きくなるかもよ?」という私の進言もむなしく、息子が決めた「ママが帰ってくるまで」という謎のエンドラインを覆すことは出来なかった。どうしてそういう所だけ頑固なんだ。
そして、台所にはプラスチック容器に入りきらなかった食塩水がまだ大量に残っている。
これは…
…やるしかねぇ!
糸にもちゃんと結晶が付くということがわかったので、もう一度糸を使っての挑戦です。
先っちょには何となく結び目をつけてみました。明確な意図はありません。形状の違いがどう影響するのか見ておきたいかな~みたいな。
始めは時を経るごとに大きさを増していきましたが、2日目の終わり頃から緩慢になり、4日目にしてほとんど変化が無くなった姿がこちらです。
一つ一つの粒も若干大きくなっていますが、それよりも粒の数自体がゴチャっと増えたように見える。
粒そのものが大きく育てばもっと面白かったと思うのですが…少し残念。
でもこれはこれでなかなかキレイだと思いませんか。上に掲載したアップの写真よりも、実際はもっと立体感マシマシで見ごたえがあるんですよ。
毎日みんなで様子をチェックするのが非常に楽しい時間だったことも、書き加えておきます。
塩の結晶作りを実験としてもっと発展させたい!
最後に、この実験を発展させるアイデアとして思いついたことを、徒然に箇条書きしてみました。
参考までにご覧ください。
- 熱湯では無く水で作ってみる
- 沢山の糸をすだれ状にして垂らしてみる(要するに同じ材質でも垂らし方を変えてみる)
- 垂らすものを変える【モール・釣り糸・針金(クリップ)・エレキギターの6弦・糸の箇所個所に木工用ボンドを乾燥させて点を作ったもの・ゴム板・輪ゴム・ガチャポンの景品・バスボールのオマケ・粘着テープの切れ端・食品タッパーなど】※浮いてしまいそうなものもありますね
- 氷などで回りを囲い急速に冷やしてみる
- 暖かい場所においてゆっくり冷ましてみる
- 出来た結晶をまた違う飽和食塩水に入れ替えてみる(水・お湯とも)
- ↑に関連して、出来た結晶を一つチョイスし糸の先に付け、それを種に結晶を育ててみる
- 入れ物の大きさを大・中・小で変えて変化を見る
考え出すとキリが無いのでこの辺りでやめておきます。途中からビートたけしの「こんな実験は嫌だ」みたいなやつばかり頭に浮かんで真面目に書くのが大変でした。
※「出来た結晶を一つチョイスし糸の先に付けて…」というのはネット情報によると大きな結晶を作る時のセオリーだそうです。お試しあれ。
コブに結んだ部分に大きくついた(形状が違う部分の付き方が変わった)ことを考慮すると「垂らすものを変える」作戦はかなり遊べる気がする。バスボールの景品だった小さなピカチュウが、全身に結晶をまとったらカッコいいと思いませんか。粘着テープなんてマジでどういう風になるんだろう。
やってみたいぞ!
熱湯以外に危険なものを使用しないし、飽和食塩水は食塩を足しつつ再利用できるし(これも今のところ2回だけなのでもっと繰り返したら何か変化があるのかも)、何かと簡単便利で安上がりなこの実験。
アイデアを考えるところから楽しいので、来るべき夏休みの自由研究にピッタリなのではないでしょうか。
以上、塩の結晶を作る実験についてご紹介しました。