ロゴマーク 2020/05/30 プラモデル

流し込み接着剤・樹脂系接着剤・それぞれで作ったランナーパテを比較

ライター町田
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先日、HGガンダム足裏の肉抜き穴をランナーパテで処理しようとしたところ、どういうわけか形を上手く削り出すことが出来ずに失敗してしまいました。

参考:足裏の肉抜き穴を埋めたかった【HG ガンダム(リバイブ版)part8】

「そもそも色を塗るつもりなら普通のパテを使うべき」という結論が出たのは言うまでもない。

でも…気になるんだよなぁ~原因が。

穴埋めには樹脂系接着剤で作ったランナーパテを使用したので、その成分である「樹脂」が悪さをしたんじゃないかと思うんですけど。

ならば、樹脂が入っていない「流し込み接着剤」で作ったランナーパテならうまく削ることが出来るのだろうか。気になる。

比較して確かめてみることにしました。

↓わたくし町田が作ったガンプラも併せてどうぞ↓

ガンプラ初心者の作例まとめ
【エアブラシ不使用】

流し込み接着剤のランナーパテ vs 樹脂系接着剤のランナーパテ

実験の趣旨としては、流し込み接着剤と樹脂系接着剤でそれぞれ作ったランナーパテを乾燥させ、デザインナイフで刃を入れて性質の違いを確かめてみたいと。そういうことです。

実験には今回もタミヤの緑蓋と白蓋を使用。

タミヤ樹脂系接着剤 タミヤ流し込み接着剤
緑の蓋が流し込み 白い蓋が樹脂系
タミヤセメント 流し込みタイプと樹脂系タイプ
白蓋には「合成樹脂」が11%含まれているらしい

しかし改めて確認してみるとたったの11%なんですねぇ。樹脂系接着剤のドロッとした見た目から、もっと入っているのかと思っていました。

この11%が果たしてどの程度影響してくるのか。

ランナーパテ作成中
赤ランナーを削って
ランナーパテ作成中
それぞれ接着剤を注ぐ

今回の実験を通して、向かって左に置かれているのが流し込み接着剤、右に置かれているのがが樹脂系接着剤になっています。お含みおきを。


まず、乾燥中に一つ目の差が発生しました。

樹脂系接着剤はなかなか乾燥しない

ランナーパテを仕込んだ翌日のこと。

ランナーパテ乾燥中
色の変化にご注目

流し込みパテの両翼が早くも乾燥してきました。対して樹脂系パテの方はまだまだといった様子。

樹脂系パテの乾燥が始まったのはそのさらに2日後です。

ランナーパテ乾燥中
やっとのことで乾き始めた

余りに変化が無かったので「樹脂系はもうこの状態が乾燥なんだな」と思い始めた矢先のことでした。

流し込みパテはもうほとんど乾燥したと言っていい状態。こんなにも違うものなんですねぇ。

結局、全体で1週間ほど乾燥期間を設けましたよ。

ランナーパテ完成
ほぼほぼ乾燥した感じ

この乾きにくさが、樹脂系接着剤で接着した際の変色しやすさにもつながっているのかもしれません。

参考:【無塗装派】合わせ目消しで変色しにくい接着剤&接着方法を検証

乾燥したランナーパテを実際に比較してみる

それでは、乾燥したランナーパテを万年皿から外します。

ランナーパテを万年皿から外す
ペリッと

樹脂系パテの方は強く張り付いており剥がすのが大変でした。

外した状態でよく見てみると、樹脂系の方が気泡が多いように見えます。

ランナーパテ 気泡の違い
左:流し込みパテ 右:樹脂系パテ

粘度が高いので気泡が抜けにくかったということなのでしょう。樹脂系のランナーパテを使うなら気を付けるべきポイントでしょうか。

続いては切断。

ランナーパテを切断
サクッと

正直切ることについては全然違いがわかりませんでした。どっちもほとんど一緒の感覚ですね。

カンナ掛けの比較

じゃあHGガンダムでの失敗はなぜだったんだ…とデザインナイフでカンナがけしてみたところ。

ランナーパテにカンナ掛け
カリッと

これこれ!このボソボソ感!!

普通のプラとほぼ同じ感触で「カリカリと」カンナがけが出来た流し込みパテに対し、樹脂系パテは少し粘り気のある「ボソボソと」した感じ。刃がつっかかるようなイメージです。

画像では非常にわかりにくいのですが実際は見た目にも差が出ました。樹脂系パテは流し込みパテと比べて表面が荒れます。


とはいえ、HGガンダムの時に比べると随分やりやすい印象が。


今回わかった樹脂系の乾きにくさを考慮すると、あの失敗は完全乾燥していなかったせいもあるのかもしれません。

折ってみる

ランナーパテを折った際にも顕著な差が出ました。

ランナーパテを折ってみる
左:流し込み 右:樹脂系

こちらは一目瞭然。

折った際に割れた流し込みパテに対し、驚異の粘りで全然折れない樹脂系パテ。グニュリと粘って、折り目をつけるのも大変だったのコレ。


ほかにも小さく刻んだり、薄く削いでみたり、丸く抉り取ってみたり、思いつく限り色々と加工してみましたが、おおよそ今まで書いてきたことと類似した差を感じました。

すなわち「真っすぐ切ることについてはあまり差は無い」が、削ったり、抉ったり、「刃に角度をつけて行うような工作に対して樹脂系パテは粘る」ということ。

ランナーパテ比較のまとめ

以上を踏まえて、それぞれのランナーパテの特徴を書き出してみました。

樹脂系接着剤で溶かしたランナーパテ

  • 完全乾燥するまでが遅い
  • 気泡ができやすい
  • 刃に角度をつけて行うような工作には向かない
  • 樹脂の柔軟さが逆に強度になっており少々力が加わっても折れない
  • 真っすぐ切る分には流し込みパテと大差ない

流し込み接着剤で溶かしたランナーパテ

  • 完全乾燥するまでが早い
  • 硬度があるため刃に角度をつけて行うような工作もできる
  • 樹脂系パテに比べて柔軟性が無く折れやすい



以上です。



普通に見たら流し込みパテの方が使いやすそうだけど、樹脂系は樹脂系で使いどころがありそうですね。

特に強度の部分。

苦労するほど折れにくかったことを踏まえると…力がかかる部分…例えば関節周りとか…の改造に便利かも。

どういう改造なのかはいまいちピンときていませんが、いつかそんな場面に遭遇したらこの実験を思い出してみようと思います。


とりあえず!HGガンダムでの失敗は予想通り樹脂系パテの性質(乾燥しにくい・真っすぐ切る以外の方法で整形しにくい)によるものだったということがこれでわかった。ああスッキリした。



というわけで、ランナーパテの比較実験は以上です。

それでは。

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