スーパーに根曲がり竹が出てきたそうです。
妻の話によると、おおよそ一つかみ程度の量で900円ぐらいですって。
…いや高けぇよ。
そりゃ数字だけを見れば900円って大した金額じゃないけど、そうじゃなくて「900円で根曲がり竹を買う」という行為自体に納得できない何かがある。スーパーの山菜あるあるですよね。
しばらくは様子見だなぁなんて思っていたら、翌日届きました。
根曲がり竹と鯖缶を味噌汁にして食べる
山菜好きの叔父が採ってきたものです。
時期になると毎年いただくのですが、スーパーに出回り始めたっていうのはそういうことですもんね。本当に嬉しい!
「根曲がり竹」というのはチシマザサ(千島笹)のタケノコのことで、長野ではこいつと鯖缶をお味噌汁にして食べるのが定番。
材料
- 根曲がり竹…一つかみ
- 鯖缶(水煮)…1個
- 味噌…適量
材料は各家庭によってかなり差異があるようです。
例えばわたしの母なんかは鯖缶の代わりにシーチキンと卵を入れますが、これもまた旨い。
鯖缶を入れたら必ず味見して、ダシは様子を見ながら。
恐らくは当日の朝採れであろうと思われる根曲がり竹。
タケノコの類は時間が経つほどアクが出てきますから、できることならすぐ調理してしまうべき。その方が絶対美味しく出来上がります。
根曲がり竹は普通のタケノコのように真剣にあく抜きする必要がありませんので、サッサと皮を剥いて切り分けてしまいましょう。
皮むきは下の子も手伝ってくれました。しかし彼は1本を超が付くほど丁寧に剥いた後、非常に小さな声で「もう飽きた」とだけ言い残し消えていったという。なんなんだ。
切り分け方には色々あると思いますが、わたしの場合は水を張ったボールの上で左手にタケノコを、右手に包丁を持ち、直接刃を当てながら固い所はボールの外で切り捨て、柔らかく美味しそうな部分をボールの中に切り分けていきます。
むかし祖母に教えてもらった切り方で、以来ずっとこうしているのですが…
…ってこれ、何をやっているか伝わりますでしょうか。
自分で読み返してもよくわからん。
画像が撮れれば良かったんですけどねぇ。「左手にタケノコを、右手に包丁を持ち」ということなので…ね。無理でしょ。まぁ食べられる大きさになっていれば何だっていいわけで、お好きなように切ってくださいな。
そうしたら別途沸騰させておいたお湯で、切り分けた根曲がり竹を煮ていきます。
5~6分で火が通りますので、そうしたらまず火を止めて、それから鯖缶を汁ごとお鍋に入れる。これが大事。
そして、サバを入れた後はもう煮込みません。
これもご家庭によっていろいろやり方が違う部分だとは思います。一緒に煮込んじゃっても味がよく馴染んで美味しそうだし。
要するにわたしは缶詰のサバを煮込んでパサパサになってしまうのが嫌なんですよ。そういうわけで必ず火を止めてから、いわば最後の件として鯖缶を投入するわけです。
なので後は早い。
鯖缶を入れた後はまず味見して(鯖缶の塩味がプラスされるのでこの時点での味見は必須)、味噌で味を調えてから少し温め直したら、それで完成。
鯖缶の旨味が効いているので顆粒ダシも必要ありません。味見して「物足りないな」と感じた場合は一振りしておく感じでいいでしょう。
根曲がり竹と鯖の相性は抜群!ほっこりとした田舎味が魅力
上手く表現できないんですが、根曲がり竹って普通のタケノコに比べてどことなく「田舎っぽい」味わいなんです。
小さい頃から食べていた思い出のせいでしょうか。それともあく抜きをしないからかな。
いずれにしろその田舎っぽさが、これまたわたし的に田舎っぽい味である「鯖缶」とまぁよく合うこと。
【田舎×田舎】でこれこそ「ザ・郷土料理」といった感じ。
根曲がり竹って全国に売っている食材なのかどうかが定かではないのですが、もし見つけたらぜひ作ってみてください。
長野の人はこんなの食べてるんだなぁ~なんて、旅行気分で思いを馳せてみるのもいいんじゃないでしょうか。
以上、根曲がり竹と鯖缶のお味噌汁の作り方をご紹介しました。