リィジィ編集者のichiから、こんなものをいただきました。
嘘みたいだろ。イノシシの肉なんだぜ。これ。
イノシシ肉の角煮の作り方(っていうか初挑戦)
材料
- イノシシ肉…ひとかたまり
- しょう油・酒・みりん…各同量を基本に
- はちみつ…適量
- ネギの青いとこ…適量
- ショウガ…結構たくさん
- 輪切り唐辛子…適量
わたしが長野市に住んでいることをご存じの数少ない読者の方なら、「さすが長野!イノシシ肉なんて田舎ならではだなぁ」とでも思っていらっしゃるかもしれませんが、わたしもこんなモンは見るのも手にするのも初めてです。
ichiの友人の知り合いが狩ったものをいただいたんですって。友人の知り合いに狩人がいるという事実は、確かに田舎ならではでしょうか。
イノシシ肉の下ごしらえに四苦八苦
見るのも手にするのも初めてなら当然料理をするのも初めてなわけで。ネットで下調べをしながら進めていくことにしました。この時点で目指していたのは「角煮」です。
イノシシ肉は豚や牛などに比べて、そのままでは獣臭さが強いんですって。イメージ通りですよね。肉に残っている血が臭みの原因だそうで、塩水(浸透圧を利用するため)でモミ洗いして血を抜いていきます。
そうしたらお酒に漬けて。
…あらぁ?まだ結構汚れてくるのね…。とりあえずお酒を入れ替えて、さらに一時間後。写真を取り忘れてしまったのですが先ほどよりさらに汚れているように見えました。
仕方がないのでもう一度塩水で洗ってみると
めっちゃ血ぃでるやん。何回洗えばいいのこれ。っていうか角煮にするってことは下茹でするんだからあんまり気にしなくていいのだろうか。いやでもこれ気になるよなぁ。
というわけでここからさらに塩水を変えながら3回洗い、さらに1時間お酒に漬けてフィニッシュといたしました。
イノシシ肉の下茹でに四苦八苦
それでは実際に煮ていきましょう。
お鍋にイノシシ肉とネギの青い部分とショウガを3片ほど放り込んだら火にかけ、沸騰したら灰汁を取り、お酒をお玉に一杯ほど加えて極弱火に調節します。
煮豚を作る感覚でこのまま一時間ほど下茹でしてみましたが、肉が柔らかくなる気配が全っっ然感じられないの。おまけにお湯を味見してみると結構しょっぱいわけ。これ塩で洗った後にすぐお酒じゃなくて、しばらく水に漬けて塩出ししなくちゃいけなかったのかなぁ…なんて不安になってみたり。
とりあえずこの時点でいったん火を止め、粗熱が取れたらイノシシ肉についている余分な脂分を洗い流し、
水を変えて再び下茹でを開始したのでした。
諦めも肝要と先人も言っていた
これ、豚肉で言うとロースに当たるのかな。わからないんだけど、少なくともバラ肉には見えないわけで、いわゆる「バラ肉のチャーシュー」的なホロホロ食感にはならないのかもしれないなぁ…なんて思いながら煮ることプラス1時間。
ね。潮時でしょ。これ以上煮ても変化しそうにないので、ここで下茹では終了としました。このまま鍋のまま冷まして粗熱を取っていきます。
味付けにハチミツを使ってみる
さあいよいよ味付け。
今さら入れても効果はほぼ無いだろうけど、砂糖の代わりにハチミツを加えたら少しは柔らかくなるのだろうか。
薄味のところから徐々に濃くしていきます。端のところを少しかじってみたらまだまだ獣臭さが残っていたので、この時点でさらにショウガを追加。煮詰めていくぅぅ!。
途中何度か味見をしながら調味料を追加していきました。獣臭さをさらに軽減させるなら濃い目の味付けにした方がよかろうと。色味からもわかる通りしょう油は多めに使っています。
そして更なる臭み消しのため、最後の最後に輪切りの乾燥唐辛子を追加投入。
はい。これはもう誰がどう見ても角煮ではありませんね。なんだかわからない料理、敢えて名前を付けるなら「謎煮」です。その謎煮をかっこつけて言ったバージョンが「ピリ辛ショウガ煮」だというわけ。
一応ギリ煮物ではあるので、いったん冷まして味をしみこませようと思いますが…どんな食べ物が出来上がるのだろう…。怖ぇよ。
臭みは取れたがパサパサになってもうた
作るのが初めてならもちろん食べるのも初めて。いわゆる「ジビエ」というカテゴリの料理の初食が自らの作ったものになろうとは。
で、肝心の出来なんですけどね。これがまた…成功とも失敗とも言えない非常~に難しいラインとなりました。
様々な努力の結果、獣臭さはかなり取れました。途中味見した際は妻が「これ…肉の向こうにイノシシが見えるね。イシシ・ノシシじゃなくてもののけ姫の方。」という程度には臭かったものが、あら不思議。出来上がったみたら全然気にならないじゃないか。これは成功。
それと引き換えに…と言うべきなのか、肉質はパサパサになってしまって。箸で触った感じが固かったので誤解していたのですが、食べてみるとそれなりの柔らかさになっていたんですよ。触感の固さに騙されて、さらに柔らかくしよう、臭みを抜こうと、がんばって下茹でをし過ぎたということでしょう。「焼き過ぎた鮭のような食感」と言えば伝わりますでしょうか。固いコンビーフというか。いずれにしてもこちらは失敗。
とはいえ初めてのイノシシ肉は、赤身、脂身とも個性的な味わいで、機会があればもう一度チャレンジしてみたいなと思わせる独特な美味しさがありました。良い経験値になったという意味では成功寄りということにしておこうかな。
以上、イノシシ肉の謎煮…もとい「ピリ辛ショウガ煮」の作り方をご紹介しました。