昨日あたりから暑さの質がガラリと変わりましたね。
今年は例年に比べてかなり延期はされたものの、結局はこうして「夏」が開催されてしまうわけです。暑さが嫌いなわたしにとっては憂鬱でしかない季節の到来…。ああ嫌だ。
しかし、子どもたちは別のようです。
なんだかいつにも増してテンションが高く、ご機嫌で、ウズウズしていて、太陽の光を体内でエネルギーに変換して動いているようにも見える。
ロボットなのかよ。
そんな息子の一人が、何かの本で読んだらしい「実験」を始めるみたい。
せっかくだから記録してみようかな。
何色の氷が一番早く溶けるのか、競争しようぜ!
実験の内容はこうです。
実験内容
- 絵の具を溶かした「色水」を何色か作り、凍らせる。
- それらを同時にベランダに出す。
- 何色の氷が一番早く溶けるのかを記録する。
なかなか面白そうでしょ。
笑ってしまったのは、息子もすでに実験の結果を知っているということ。
「あのねぇ、その本のページに書いてあったんだけどねぇ、黒が一番早く溶けるんだよ!」と意気揚々と話してくれました。
だよね~。
色のついた氷を作る
母親と一緒に、ご機嫌で作業を始めました。
使用する絵の具は黒・白・赤・青・黄の5種類。それに何も絵の具を加えない普通の氷を合わせて、全部で6種類の氷を用意するみたい。
出来上がった色水をそれぞれ卵のパックに注ぎ、一晩経ったものがコチラです。
涼しげですな。
氷菓みたいで、美味しそう。
ちょっと天気は悪いけど実験を強行します
当日は朝から少し雲が出ていて気温も若干低めかなぁ~といった気候だったため、「もっと晴れた日にしたら?」と勧めてはみたものの、そんなことでは前日から実験をするつもりで準備していた息子のテンションを止めることはできませんでした。
まぁ、結果にはそれほど影響はないでしょう。
それでは氷が溶けていく経過をご覧ください。
この時点で、あれ?変だなぁと思いながら見ていたのですが…続きをどうぞ。
ほら、なんだか思っていたのと違うでしょ。
結果は以下の通りです。
1位…【白】記録21分00秒
2位…【黒】記録21分40秒
3位…【青】記録22分15秒
4位…【透明】記録22分45秒
4位…【赤】記録22分45秒
6位…【黄】記録25分00秒
まさかの【白】圧勝。なんでやねん。
そもそもなぜ黒色は熱くなりやすいのか&実験結果に影響を与えた要因を考察
息子は「実験をした」ということ自体に大満足し、意気揚々とリビングに戻っていきました。うむ。今はそれでいいぞ息子よ。よくやった。
しかしわたしは大人なので、もう少し突っ込んで考えてみたいと思います。
「赤」はなぜ赤く見えるのか。
太陽から注がれる光のスペクトルのうち、可視光線の波長の中から、その材質が赤の光の波長を跳ね返し、かつ他の波長の光を吸収する特性を持っているからですよね。跳ね返った赤の波長の光が我々の目に届き、脳がそのように処理をした結果、赤く見える。
一方、黒(「完全な黒体」うんぬんは省きます)は全ての波長の光を吸収するからこそ「黒く」見える。なので光が運ぶ熱のエネルギーを一番効率よく受けとることができるのです。この理屈に疑いはありません。
だとすれば、今回の実験結果に影響を与えた要因はなんだろう。
氷を乗せた小皿の種類
画像を見てもらえばわかりますが、氷を乗せるお皿は3種類のものを使っています。
同じ種類で6皿用意できなかったからということと、どれも「陶器」で出来ているからそれほど違いは無いだろうと思ったからなのですが、早く溶けた上位3色(同着4位である赤も)はいずれも同じ種類の小皿に乗っていることを考えると…素材や塗料によって熱伝導率に差が出てしまったのかもしれません。
氷を乗せる前の小皿の温度
小皿は何も考えずに食器棚から取り出しそのまま使用しました。
もしかすると置いてあった位置によって、小皿の温度が始めから違っていたとしたら。例えば棚の奥にあったものは冷たく、手前にあったものは温かかったとすれば、準備段階として氷を小皿に乗せた時点で差がついていたのかも。
絵の具の素材の違い
わたしは全然絵に詳しくないのですが、そもそも絵の具の色ってどうやって出来ているんだろう?色によって発色する素材が違っているとすれば、その違いも実験結果に影響している可能性があります。
以上、わたしがパっと思いついたのはこんなところですが、結局はそんなような要因がいくつも絡み合って、今回の結果になったのでしょう。
こういった実験を何かの仕事で厳密に行っている人って、すごいですね。我が家ではこんな簡単な実験さえ思った結果が出ないんだもの。
今回改めて思い知りました。
それと、なんかわかんないけど最後は息子よりわたしの方が熱中して考えてしまったという。
なんかわかんないけど、夏ですなぁ。