ただいま絶賛制作中のフルメカニクス ガンダムエアリアル。
2023/6/05現在の進捗部分塗装とディティールアップとか【FMガンダムエアリアル#4】
基本は素組の簡単仕上げということで、早くも完成か、というところまで来て今さら気になってしまっている箇所がある。
そう。ヤスっても消えないゲート跡の白化だ。
流し込み接着剤でゲート跡の白化は消えるのか
ゲートからは丁寧に2度切りで切り離し、やすり掛けも頑張ったんだけどねぇ。
エアブラシを所持していない無塗装派のわたしにとってコレは非常に困ったちゃんで、例えば部分塗装でピンポイントにリタッチしようにも、元パーツと全く同色かつ同質感の塗料を用いない限りリタッチした部分が浮いてしまうし、じゃあパーツ全体を塗ったらどうかといっても、大きなパーツの筆塗ではムラになってしまうのはもちろんのこと、一つのパーツを塗ったなら他の同色パーツも塗ってしまわないことには結局はパーツごと浮いてしまう結果になる。わたしと同じようないわゆる「万年初心者モデラ―」の方々は大いに頷いていただいているところではなかろうか。
しかしこう…なんでヤスっても消えないような根深い白化が出来てしまうんだろうね。そもそもコレって具体的になんなの?ということを少し推察してみよう。
根深いゲート跡はこうして出来る(あくまで推察)
結論から言うと、わたしの考えた理屈はこうだ。
ゲートからパーツを切り離す際(または二度切りする際)、その接合部にかかった力がパーツ本体を押し潰し、組織を破壊した結果として白化が起こる。そしてその破壊はパーツの形や素材によっては思ったより深部まで届いていて、表面をやすり掛けした程度では残ってしまう場合がある、ということを伝えたかったのが上の図になるわけだ。ううむ…こうしてみると改めて書くようなことでもなかったが、一応確認ということで。
要するに消えない白化の正体は「パーツ組織の破壊が深部にまで及んでしまった部分」ということになるわけだね、たぶん。ならば頑張ってやすり続けることでいつかは消えるんだろうけど、そうするとパーツの形状そのものに影響が出ちゃったりするでしょ。
ならば破壊されてしまった組織をプラ用接着剤で再び癒着させることで修理できれば、できてしまった白化を薄くすることができるのでは、と考えたのが今回の記事の発端になるわけだ。ぜひ実験してみようじゃないか。
流し込み接着剤を使う理由
プラ用接着剤の一般的なものには大きく「樹脂系接着剤」「流し込み接着剤」の2種類があるのはご存じのところだと思うが、今回の実験には流し込み接着剤の方を使っていこうと思う。
理由は以下の記事をごらんあれ。
これが理由だ!【無塗装派】合わせ目消しで変色しにくい接着剤&接着方法を検証
ゲート跡の白化とは別に、そもそもプラ用接着剤の副作用として変色してしまっては元も子もない。なので上記検証に基づき、よりその危険が少ない方をチョイスした。
流し込み接着剤を用いた白化の直し方
やることは非常に簡単。まず、いらなくなったランナーの一部をニッパーで敢えて荒々しく切り取って。
ヤスりがけで消えてしまう程度の白化では意味がないので、「きれいサッパリ修正してやるぜ!」ぐらいの気持ちで真剣にやすり掛けをしてみた結果…
いやぁ…思いっきり派手に白化したじゃないか…これが本チャンのプラモだったら声出して泣いちゃうよ本当。消すのはあんなに大変なのに作るのはこんなに簡単、それが白化なんだなぁ…(遠い目
この白化部分に流し込み接着剤を薄く塗布して。
半日乾燥させた後やすり掛けしたものが以下の通りだ。
いや、完全に消えてないのはもちろん見ていただいた通りなのだが、コレ、かなり薄くはなってるよね??Beforeの派手な白化具合を加味すれば上々な成績なのでは。それにこのグレーパーツって軟質の素材で出来ていて、どうやら普通のプラスチックとは違うっぽいことも結果に影響しているのかもしれない。
というわけで、通常のプラパーツであると思われるレッドとブルーの2色を用いて、同様の手順で実験してみた。
う~ん。これはもうほとんど「消えた」と明言してもいいレベルだろう。青パーツはもちろん、赤パーツの方は光の加減で何かのラインが見えてしまっているが、肝心の白化についてはほぼ消えているように見える。
そして大事なのは今回実験したどのパーツについても、目立った副作用が見られなかったということだ。これならもし失敗したとしても大した被害にはなるまい。
というわけで、始めにご紹介したFMガンダムエアリアルのパーツで早速試してみた。
ほらぁぁあ!ほとんど消えましたぜ旦那!やったよ嬉しいなぁ。こんな簡単なことを今までやってこなかったことが実に悔やまれる。確かにちょっとした白化ではあったが、そのちょっとが目立たなくなっただけで悪い意味でのおもちゃ感がグッと減った。嬉しい。
ただ、一つミスっちゃった部分があってね。
白化が消えた代わりにその周辺がぼんやりと変色してしまっているのがおわかりだろうか。
ここって流し込み接着剤を塗りすぎちゃった箇所なのよね。と、いってもちょっとだったのよ?「べタァッ」と付いちゃったわけじゃなくて「ペチャ」ぐらい。わかりにくいか。
塗布した瞬間「むっ…」って思ってすぐティッシュで拭き取ろうと体が動いた。…が、「ペチャ」程度の塗りすぎがどう影響するのかを確かめたくなって放置した。その結果がこれだYO!
以上、今回の実験をまとめてみた。
流し込み接着剤でゲート跡の白化を消す方法
- 【前提】プラ用接着剤で白化を薄くすることは可能
- 接着剤の種類は流し込み接着剤をチョイスした方が無難
- 出来るだけ少量をピンポイントに塗布すべし
- 乾燥したら放置せず速やかにやすり掛けすること
今回の実験では樹脂系接着剤との比較はしなかったが、流し込み接着剤を「ペチャ」程度塗りすぎただけでも変色を招いてしまったことを鑑みると、やはり乾燥が遅く、また粘度が高いため少量を塗布するのが難しい樹脂系接着剤は避けた方がいいだろう。ただ、乾燥が遅い分、パーツ破壊による白化そのものを薄くする効果は高いと予想されるので、そのあたりは状況に応じて使い分けるといいかもしれない。
そしてやすり掛けのタイミングも重要だ。
たとえ流し込み接着剤を少量ピンポイントに塗布したとしても、そのまま放置し続ければ変色する危険が高まる。今回の実験のように半日を待たずとも、乾燥したなと思ったらすぐやすり掛けをして、接着剤の成分は早いうちに残さず取り去ることが重要だ。
ネット情報は玉石混合!お気をつけあそばせ
と、ここまで書いてみてふと「もしかしたらこれって一般的に知られている方法なのでは」と一抹の不安を覚えググってみたらまぁ的中。そりゃこんなに効果てきめんなんだから、むべなるかな、といったところか。
それなら敢えて記事にする必要ないじゃないかとも思ったのだが、ググってたどり着いた情報を読んでみると、流し込み接着剤を使う理由がなんだか…具体的な言及はしないが、とにかく誤解を招いてしまいそうな表現が散見されたため、それなら当記事にも僅かながらの価値があるかもしれないとアップを決意した次第。お時間があるときにでもぜひ以下の検証記事を読んでみていただきたい。
しつこいけど再掲【無塗装派】合わせ目消しで変色しにくい接着剤&接着方法を検証
大人ならまだいいとして、例えば子どもが大事に貯めたお小遣いで購入したプラモデルだったりした場合、誤解が元で変な失敗をしてしまったら可哀そうだな、なんて心配してしまうのはわたし自身にそんな年頃の息子がいるからなのかもしれない。
いずれにしても子どもたちよ、ネット情報は玉石混合!もちろん当ブログを含めてな!まずは自分で実験してみるのが一番確実だし楽しいぞ!あと理由もあやふやなままわかったつもりになっていると大人になった時に恥ずかしいぞ…といったところで、それでは。