こんなわたしの部屋にもささやかな積みプラがある、ということは以前お伝えした通りだ。
参考ページ町田のささやかな積みプラを晒してみる
で、さぁ。
なんだか最近、何をしていても落ち着いて取り組めない感じがあるのよね。見えない何かに急き立てられてそわそわしちゃう。本当はしなきゃいけないことがたくさんあるのに、何から手を付けていいのかわからないまま一日が終わってしまうみたいな。頭が整理されていない状態。
部屋の片づけ(軽い模様替えと言ってもいい程度の)をしてみたり、アプリを使って今日やるべきこと、できることをリストアップしてみたり。そんなことを進める中で先日、積みプラがこの状態の原因の一つになっているということに唐突に気が付いてしまった。わたしの小さな小さな脳みその中にある「やらなきゃいけないことリスト領域」のキャパを積みプラがこっそり喰い散らかしてんのがちょっとしたプレッシャーになってる。あくまで「原因の一つ」だけど。
そんなわけで密かにガンプラ製作を再開していたのです。
積みプラのうちのいくつかは無事に完成まで漕ぎつけたので、このタイミングでご紹介してみようかなって。
最近作ったガンプラ2つをご紹介!HGジークアクス&RGニューガンダム
あ、そういえばHGガンキャノンにもケリを付けていたんだった。リアルタイムに今思い出した。こちらはまた改めてお見せすることとして。
今回取り上げるのは、部分塗装やウェザリングを施した「HGジークアクス」と、それに加えてちょっとした工作をした「RGニューガンダム」だ。
HG 1/144 GQuuuuuuX(ジークアクス)
とはいえ今までのガンプラのように完成までの製作過程を記事化してきたキットではないので、興味を持ってご覧いただける方も少ないだろう。そんなわけで完成画像もちょちょっと、サクッと掲載させていただきます。


いつも通りの成型色活かしで。
今まで出来るだけ避けてきたシール類だが、各部の印象的な赤いラインや胸の五角形などをわたしの拙い筆塗りで描くのは不可能に思えたので、今回は素直にシールに頼った。また、一部の部分塗装はシールの余った部分を切り貼りすることで代用している。
エナメルの黒+少量の茶色でフィルタリングして全体のトーンを下げ、ダークグレーのパーツはスチール製という脳内設定でシルバーのドライブラシを施した。目はシルバー下地でクリアグリーンを塗ったが、まぁ~細かい場所で苦労した割には写真にちゃんと映ってないぞ!
そしてなぜ武器類を一切持たせていないかというと、実はこれ、他人にプレゼントする予定で作ったキットなんだよね。そしてもうプレゼントしたのでわたしの手元には無い。
例えば盾。手首のところに装着するようになっているのだが、そこがちょうど部分塗装を施した場所なわけ。だから高確率で塗装が剥げるわけ。他の武器だって大なり小なりそういった可能性を孕んでいるので、当方では一切何も持たせない。そういったリスクは一切を先方にお任せしてしまって「持たせて飾りたいならどうぞどうぞ塗装が剥げるかもしれないけどそれはもう自己責任でよろしくねという他責精神」を具現化したのがこの画像なのだ(迫真)!
もちろん先方にそのことはちゃんと説明したけどね。一番は剥げないような処理が出来ればいいんだけど。本来は。
技術の進化を実感できるガンプラ
さてこのキット、画像では伝わりにくいと思うが実はめっちゃ小さいのよ。なので必然的にパーツは細かく、精巧になる。そんなデリケートなパーツたちを組み上げていくのはとっっっても大変な作業だったが、仕上がってみるとその密度感に圧倒されてしまった。バンダイさんの科学力はすごいぜ!
今回は出来うる限りの部分塗装をしたが、何なら素組で飾っておくだけでも十分楽しめるキットだと思う。モノとして中身が詰まっている感触がある。
RG 1/144 νガンダム
続いてはわたしの愛する作品「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」より、νガンダムだ。

リアルグレードということでかなりのパーツ数で構成されてはいるが、「密度感」という意味ではジークアクスの方が上か。プラモデルとしての縮尺とは別に、現実世界のサイズって重要なんだねぇ。
見ての通りこちらはわたくし史上初めてのダメージ加工で仕上げてみた。
熱した安全ピンを使って、押し付けてみたり、こすってみたり、突き刺してみたり、表情の違うキズを各所に。深めのキズにしっかりシルバーを入れたら思ったよりわざとらしく見えてしまったため、逐一修正しながら自分なりに満足いくまで調節した。
特に深いダメージを負った右わき腹と左脚の内側には針金を仕込んでみたりして。これも我ながらハマったのではと思う。


壊しすぎじゃない…?
という痛烈な批判が画面の向こうからわたしの脳内に直接響いてくるようだ…くぅっっっ!いやそうなんだわかってる。何事にも程度があるっていうんでしょわかってる。これじゃあもうきっと左脚は曲がらないしコクピットハッチも歪んで誰も乗り降りできないよでもそんなの個人の趣味でしょわたし的にはこのぐらいがカッコイイんだから文句は言わせないし好きにやらせて欲しいんですからね!!!
それはよく晴れた晩秋の昼下がりのこと
製作期間およそ1ヶ月。毎晩デザインナイフでセコセコと仕上げの面だしをしていたニューガンダムが、いよいよ形になってきていたある晩秋のこと。
この後に続くウェザリング塗装に先立ち、缶スプレーのつや消しトップコートを吹いておく必要がある。実家には狭いながらに庭があり、前隣りは公園、横隣りは空き家という立地から、臭いの強いラッカースプレーを気兼ねなく吹くには絶好のスポットだ。あらかじめ天気予報でチェックしておいた良く晴れた日、わたしは車で意気揚々と実家に乗りつけた。
うららかな日差しの犬ばしりで土の匂いを嗅ぎながら、手塩にかけたパーツたちに満遍なくつや消しトップコートを吹きつけていく。風にふかれて空に昇っていくミストが陽光に照らされて一瞬きらめく。二巡目までの吹き付けが終わり、最後の三巡目はよりしっかりと乾燥させたかったので、吹き付けたあとは電子ストーブの前に置いてしっかりと乾燥させることにした。
…いや、もうやめ。
やめやめ!小説風にしようとしたけどもうやめ!なんか思い出して嫌になっちゃう。
もうここまで書けば記事タイトルでネタバレだろうから、要するにそれで溶けたんだ。パーツが。知ってますか??ガンプラのパーツって電気ストーブの近くで乾かそうとすると溶けちゃうんですよ奥さん!!えぇぇ~!?あの驚異の科学力を誇るバンダイさんのプラスチックがぁ?たかが熱エネルギーでぇ???!!!!?
はい。当たり前です。
最後の三巡目を吹いてしばらく後。さてそろそろ乾いたかな?ツヤの調子はどうかな?と手に取って見てみると、一部のパーツが見たことのない形になっていた。特に右わき腹と左脚は見てもらった通り。あれってもうあの形からピクリとも動かないんだぜ熱エネルギーってすごいねぇあっはっは(遠い目
正直見た瞬間は頭の中がバグってよくわからない状態になったんだよね。あれ?パーツがハズれちゃったのかな(直そうとしてみる)うん…?違うか気のせいか?…いやいやだって曲げられないぞこれって曲がらないパーツだったっけ?うん?なんだか斜めってる?これってこんな形のパーツだったような違うような。変な感じに見えてるのが逆に気のせいなのか…?逆?何が逆なんだ…?(永遠の自問自答)。
数分後、まるで悟りを開いたシッタールダの如く「ああこれは熱で溶けたんだな」と理解した時はさすがに大の字になって床に倒れた。倒れゆくその時、脳裏にはミリ単位のディティールにこだわって面だしをしたこの一ヶ月間の夜のことが走馬灯のように巡った。バタン。
つまり「ダメージ加工にするしかなかった」というのが本当のところだったんだねぇ…。
でも、もういいの。
よっぽどもう一回買って作ろうと思ったんだ。再販予定も調べちゃったし。でも、今となれば逆にこれこそがわたしのニューガンダムだと思えているわけ。やっちゃった時は大げさじゃなくて本当に失意のどん底だったけど、気持ちを変えてこういう方向で仕上げることが出来たことが最高に嬉しいからね。いい勉強になりましたとさめでたしめでたし。
こだわったところいくつか
こうして記事にすることで「最後までやった」感が味わえることは、もしかするとライターの特権なのかもしれない。成仏するっていうのは少し極端な表現かもしれないけど。
せっかくなので成仏ついでにこだわったところを箇条書きにして〆ようかしらね。
- ぬるいモールドを削り落としてメタルパーツを仕込んだ
- 首が長すぎるように見えたのでジョイントをカットして削り、真鍮線を仕込んで、少しだけ後ろにずらして再接着
- 喉元・首元・連邦マークのウエストユニットにディティール追加
他にも自分なりにこだわって作った部分はあるのだが、こんなところにしておこう。何しろ溶けちゃってるからね!
気づいてみたらもう師走で、今年も残すところ半月強といったところですな。皆様はどんな一年を過ごされたのだろうか。「終わり良ければ総て良し」とはよく言ったもので、前述の「最後までやった」感を味わうためにはここからが重要だ。ぜひお互い楽しく過ごそう。
それでは!