すっかりキノコが美味しい季節になりましたね。
わたし自身は山に入ることも、川に出かけることも無い生粋のインドア人間なわけですが、家族や親せきには結構アウトドアな方がいたりして。
その筆頭である父から、山で採ってきたばかりの「ならたけ」というキノコを頂きました。なんでも醬油汁に仕立てると美味しいんだそうで。ぜひ作ってみようじゃないか。
ナラタケのしょう油汁を作る
材料
- ナラタケ…ザルに一杯
- 油揚げ…2枚
- ナス…一本
- 豆腐…一丁
- 豚バラ肉…100g
- ネギ…適量
- 出汁用のカツオ節と昆布…適量
- 顆粒ダシ…少々
- 酒・みりん・しょう油・塩・砂糖…分量が分かるなら苦労はしない
採ってきたキノコって、なんだか売っているモノより随分美味しく見えますよねぇ。
わたしが幼少の頃からキノコ採りの達人であった父に、大人になってから訊ねたことがありました。今まで色んなキノコを食べてきたと思うけど、一番おいしかったのはどれだった?と。
答えは「スーパーに売っているマイタケ」だそうで。拍子抜けしつつも妙に納得してしまったという。
味噌ではなくしょう油のお汁が合うらしい
ナラタケは水でゴミを洗い流しつつ、悪い部分は包丁で切り捨てて。
キノコって、こうして並ぶと必要以上に有機的な曲線に見えませんか。手塚治虫の漫画表現にも通ずるものがあるような。っていうか父がザックリと下ごしらえしてくれていたため始めからほとんどキレイだったんです。ありがとう父よ。
これだけたっぷりあるんだから、半分はお汁で、半分はおろし和えにでもして食べようかな~なんて思っていたんだ。この時までは。
ちなみに材料のうち豆腐、油揚げ、ナスもセットでもらっちゃったんですよねぇ。本当にありがたい!
豆腐はさいの目に、ナスは小さめの乱切りに、油揚げは柵に切りました。ちなみにこの時点ではナス以外全て分量の半分です。すなわちナラタケはザルの半分。豆腐は1/2丁。油揚げは一枚。
問題が発生したのはこの後でした。
いわばエゴとエゴのシーソーゲーム
まずは酒とみりんを加えて。味見をしてみると…いいね。カツオと昆布に加えて、いい感じにキノコのダシも出ています。そうしたら少量の塩と、メインの醬油をば…
画像で伝わりますでしょうか。要はしょう油を入れすぎちゃったんだな。
いまや何を考えていたのか思い出せないほど、悟りを開けるレベルでの「無心」で体が動いていたため、間違った設定をされた料理ロボットの如くある意味で正確に、お玉丸々二杯分の醬油をぶち込んでしまった次第…マジで何を思っていたんだろう。もちろん味見しましたよ。しょっぱかったよ。
このあと完成までの画像が無いのは真剣にリカバリーしようとしていたからに他ならず、しょう油を薄めるための水増しに見合うだけの具を追加し(この時点で分量の通りになった)、薄くなったダシを補うため顆粒ダシを加え、みりんや砂糖の追い打ちで下支えを強化して。旨味と塩味のシーソーゲームを乗り越えてどうにか完成にこぎつけたのでありました。
結果的にはメチャメチャ旨い汁ができた
画像はナラタケをもらってお汁にしたその日の物です。
なにしろ食感が良い。ポリっというか、プリっというか、とにかく小気味よい歯ごたえとともに、キノコの旨味とほのかな甘みが口の中に広がります。お汁の方にもナラタケの良い出汁が存分に出ており、作っているときはヒヤヒヤものでしたがとても美味しく出来上がりました。
青ネギの切り方が超絶に雑なのはご愛敬。以前も書いた通り、これこそがリアルガチなのだから…。リアルガチなウェブマガジン Reeazyを今後とも四露死苦。
豚バラ肉を加えるべき
翌日。
食べきれずに余っていたお汁に豚バラ肉を追加してみました。
これがねぇ…
クッッッッッッソ旨かった
わけよ。
一日経って若干キノコのトロみが出てきたお汁に、バラ肉が加わった各種材料の旨味が混然一体となって混ざり合い、なんとも奥深い美味しさ。不可抗力とはいえ元々のダシも、カツオと昆布に加えて顆粒も入っていますから、もはや「旨味フェス」が開催されてしまっているわけです。
本当は前日の段階でお肉を入れた方がいいとは思っていたんですけどね。買い物に行く時間的余裕が無くてオミットしてしまったのです。やっぱり入れた方が断然旨かったな。
反省点としてはもちろん、第一段階でしょう油を入れすぎてしまったことと、豚バラを初めから使わなかったこと。それに加えてお汁の量をもうちょい少なく、「汁であるギリギリのライン」を攻めることでさらに濃い旨味を楽しめたかなぁという気はしています。
以上、ナラタケの醬油汁の作り方をご紹介しました。