珍しい時間にチャイムが鳴りました。
なんだろうとインターホンに出てみると、父です。
コンビニでおいしそうな芋焼酎を発見し、連想したのは芋焼酎が好きなわたしのこと。それでなんとなく買い届けてくれたんですって。他にも妻と子供たちのためにハーゲンダッツのセットや、ウサギさんのためにキャベツ(大1玉!)なんかも一緒に頂いちゃってもう…ありがたいじゃないか。
袋を覗いてみると「芋焼酎 もぐら」という銘柄らしい。
早速その日の夜に飲んでみることにしました。
味わいは深いが不思議なほどシャープ!スッキリ飲める芋焼酎
おつまみは市販の炙りしめさばです。
「五臓六腑にしみわたる」かぁ…。確かに美味しそうなナリですが、出自については何も知りません。調べてみよう。
黄金千貫芋の特徴を最大限にいかすため、専用タンクで貯蔵している原酒を泡盛の伝統的な熟成法である、仕次ぎ法を用い、貯蔵・熟成させています。割り水には、七窪の自然湧水を、さらに自社の木槽受水槽で貯水し、まろやかにした水を使用しています。濾過を極力抑えた荒濾過造りで旨味を十分に堪能出来る薩摩焼酎。
もぐら | 鹿児島本格焼酎さつま無双株式会社
出たぁ~黄金千貫(コガネセンガン)!
先日ご紹介した黒霧島の原料と同じお芋ですよね。
引用文には気になる単語が散見されますが、今日はこの段階で一口いただいてみましょう。
う~ん!これはシャープ!
十分な旨味があるのにコッテリした感じはなく、キリっと引き締まった印象です。
醸造に黒麹を使っているか否かの違いなのでしょうか 、良くも悪くも黒霧島に感じる重みのようなものがありません。調べてみたものの、もぐらの醸造に使用されている種麹の種類がわかりませんでした。
重みこそありませんが、それは決して物足りないということではありません。
しっかりとした「芋」の味と香りがあり、十分な飲みごたえ。
いいね。炙りしめさばとも合うね。
それでは引用文の気になる単語の件、攻めてみましょうか。
泡盛の伝統的な熟成法「仕次ぎ法」
専用タンクで貯蔵している原酒を泡盛の伝統的な熟成法である、仕次ぎ法を用い、貯蔵・熟成させています。
もぐら | 鹿児島本格焼酎さつま無双株式会社
ですって。
泡盛の伝統的な熟成法だという「仕次ぎ法」。
簡単に言うと、飲んだ分だけ補充していくイメージの熟成法みたい。
参考:家の酒を育てる 仕次ぎ|琉球城焼 | 忠孝酒造株式会社
上記参考サイトを例にとると、一番古く十分に熟成された甕のお酒を楽しみ、減った分を2番目に古い甕から補充。2番目の甕の差分は3番目の甕から補充、といった具合に、段階的に熟成されたお酒を補充していくことで、美味しく熟成された状態のお酒を安定して楽しめるというわけです。
知恵ですねぇ。
芋の旨味をより楽しめる「荒濾過」
蒸留が済んだばかりの焼酎には酵母などの微生物や油分が残されています。
そのため多くの焼酎ではこれらの不純物を濾過してから完成となるわけですが、実はこの不純物には焼酎本来の旨味や香りの成分も含まれているんですって。
荒濾過というのはつまり、こうした香りや旨味成分を全て取り去ってしまうことのないよう、荒く(いい塩梅で)濾過している、という意味合いのようです。
蒸留したばかりの焼酎には、分解しきれなかった麹や酵母・微生物といった物質が残っている。これらは時間経過と共に、焼酎の質を落とし風味や味わいを損なう原因となるため、通常は濾過(ろか)フィルターにて取り除いて焼酎は出来上がる。ところが、これらの未分解物質は香り旨み成分も多く含んでおり、これらを上手に残すことによってより濃厚で味わい深い焼酎をつくりだすことができる。『もぐら』は荒濾過で仕上げることによって、こだわりの味を生み出しているのである。味わいを保ち、かつ旨みを残し、唯一無二の焼酎を作る。その加減が職人の技であり、腕の見せ所なのだ。
もぐら | 鹿児島本格焼酎さつま無双株式会社
腕の見せ所なのだ!
ということでね、見せてもらいましたよ腕を。
キリっとした中にも飲みごたえを感じたのは、まさに荒濾過の生み出した効果なのかもしれません。
飲み慣れているせいか、個人的には黒霧島のドッシリとした感じが好みかなぁ…というところもありますが、これはこれでとても美味しい芋焼酎でした。
ごちそうさまでした。