我々無塗装派にとって、ゲート処理の出来はプラモデル全体の出来を左右する要素だ。…たぶん。少なくともわたしにとっては。
だってうっかりゲート跡を白化させようものなら大変でしょ。白化が無くなる深度まで削り込むか、流し込み接着剤チョン付けで誤魔化すか、そこだけ部分塗装をカマすか、もしくは…すっぱりと諦めるか。しかも「諦める」以外の選択肢にはどれも結構なリスクがあるという事実。
今までも自分なりにあれこれ工夫して来たのだが、この度その工夫の一つとして導入したいくつかのアイテムがまぁ~どれもチート級に良くって。せっかくなのでご紹介しておこうと思う。
片刃ニッパーで丁寧に切り離したパーツをガラスヤスリで丁寧に磨くという簡単なお仕事
まず、ゲートを切り離すのに使用するのは片刃ニッパーだ。


なぜ開かない方がいいのかは全くわからないんだけどね(迫真)。
参考ページGSIクレオス Gツール Mr.片刃ニッパー ホビー用工具
こいつは片側が「刃」、片側が「受け」という造りになっているおかげで、刃を思いっきり薄く鋭利にすることができるという代物。左右から刃と刃が合わさる両刃ニッパーではそこまで攻められないでしょ。

片刃ニッパーで切ったゲートは両刃ニッパーの方に比べて径が太いにもかかわらず、あまり白化していないのがお分かりいただけると思う。片刃ニッパーの方が切れ味が鋭い分、切断時にパーツに余計な力がかからなくなり、ゲート跡が白化しにくくなるというわけだ。
ちなみに今回ご紹介するいくつかのアイテムは、どれもこの片刃ニッパーのような「知る人ぞ知る」アイテムであるということは始めにお断りしておく。この記事にしかない裏技みたいなのは無いからね!気になっていたけどまだ使ったことは無い、というような方のお役に立てれば幸いだ。
実践!片刃ニッパーとガラスやすりを使ったゲート処理
それでは実際に一つのパーツを例にとってゲート処理をしてみよう。
まずは片刃ニッパーで、ゲートを少し残してカット。

なんか変な形にゲートが残っちゃったけど…まぁいいか。これも実践ということで。次にこいつをガラスやすりを使って削っていく。


参考ページミネシマ(Mineshima) プラモのためのガラスヤスリ ホビー用ツール
こいつが本当に優秀なんだよなぁ。サイズも大きすぎず小さすぎず、ちょうど良い。


ギャツビーは今4回目を読んでいる最中だ。なぜか数年に一度、オリンピックぐらいのスパンで読みたくなるので蔵書の整理をする際にも常に手元に置いておくようにしている。今年も色々な本を読んだが、年越し前にそんな記事も書きておきたいと思っているのでお楽しみに。

滑らかな感触に反してパーツはしっかりと削れており、その独特なフィーリングに始めは驚いた。で、その「なめらかな感触」の方にガラスやすりの特徴が出るらしく、削り跡も非常~に滑らかになる。おかげでゲート跡は無事白化することなく処理できたが、しかし…

パーツの右端、ガラスやすりの思わぬ効果がおわかりだろうか。これ変色してるわけじゃなくて光ってるの。輝いちゃってるの。
こうなってしまうのは滑らかになりすぎてしまうから。ガラスやすり一発で輝くほど滑らかになるってすごいことだと思うんだけど、とにかく無塗装派としては放っておけないので、仕上げとして普通のスポンジやすりなどでテクスチャを均してやればOKだ。
今回はせっかくなので、やすり掛けついでに平面出しまで済ませてしまおう。
おまけの平面出し
平面出しに使うのはこれ。



参考ページゴッドハンド(GodHand) FFボードアクリル
硬質なアクリルボードが安定して面を捉えてくれるので、わたしのような下手くそでも比較的簡単に平面が出せる。紙やすりの長さに対してちょうど半分なのも嬉しいね。

参考ページゴッドハンド(GodHand) フレックスクロス布ヤスリセット
色違いが5つ入っているので、それぞれ番手の違うペーパーを貼り付けておくと便利だぞ。

さて。このアクリルボードヤスリや、細かいところはモデラーズナイフを使ったカンナ掛けなどで平面出しをしてやると、以下のような仕上がりになる。

まだ削り跡が目立つねぇ。後でもう少し細かい番手のやすりをかけなきゃ。
Beforeに比べて面がパキッとし、肝心のゲート跡についてはよ~く見なければわからない程度には処理できているのではなかろうか。逆にいうとよ~く見ればわかるわけなんだけど…しかし!無塗装派のわたしとしてはこれでも十分助かるんだな。たぶんね、これでつや消しコートしてフィルタリングでもしてやればほとんどわからなくなると思う。
というわけで、最近はこの流れでのゲート処理がわたしの中で最強だ。もし参考になったならぜひ導入してみて欲しい。
それでは。